薄くなった部分に毛を植え込む「植毛」

薄毛のための外科的な治療法に、植毛があります。その名の通り、薄くなっている部分の毛穴に毛を植えるもので、みずからの髪の毛を使う「自毛植毛」とナイロンなどを使う「人工毛植毛」の2つに分かれます。

自毛植毛と人工植毛のちがい

植毛の中でも、もっとも自然でアレルギーなどの心配もないのは自毛植毛です。髪が多く残っている部分の皮膚を毛根ごと採取し、それを薄くなっている部分に移植します。この採取した自分の毛を「ドナー」と呼びます。

毛根から植えつけるため髪の毛はそのまま伸びていきますし、安定さえすれば特別なケアも必要なく過ごせる点が大きなメリットといえます。ただし採取できるドナーの量によって増やせる本数に限界がある点と、採取した部位と移植した部位の両方の皮膚に傷ができる点がデメリットです。

一方、移植するだけの自毛が足りない場合には、ナイロンや塩化ビニールといった合成繊維で作られた人工毛を使うこともあります。本数に制限がなく、好きなだけ髪を増やせる点がこの方法のメリットです。また一般的に自毛よりも抜けにくく、強度があるとされています。

ただし合成繊維なだけに、場合によっては拒絶反応が出る可能性がある点が大きなデメリットです。また自毛のように伸びないため、必要に応じて定期的に植毛し直す必要があることも覚えておきましょう。

植毛技術は日々進化している!

植毛の方法にはさまざまなものがあります。 例えば自毛植毛なら、ドナーを10本で1株として移植する「パンチ式」が以前まで主流でしたが、この方法では生え際や分け目といった比較的髪の少ない部位が不自然になりやすいことから、最近では1~5本を1株とする「マイクロ法」が主流になりつつあります。 これならより細かく自然に仕上げることが可能です。

また移植の方法についても、細い針で穴を開けながら植えていく「ニードル式」や、移植先の皮膚にメスを入れてピンセットなどで植えていく「スリット式」があります。前者は分け目や生え際など、後者は比較的本数の多い頭頂部などの広範囲な部分に適しています。

いずれにしても植毛は高い技術が必要とされるため、腕の確かなクリニックなどで受けることが大切です。ただし最近ではコンピュータによる自動植毛機の開発が進み、細かい作業を自動でスピーディにおこなうことができるようになりつつあります。

また現在、世界中で注目されているのは毛根の組織培養の技術です。つまり残った髪の少ない人でも、自毛をクローン再生することで広範囲の自毛植毛ができるようになる日が待たれています。