性欲が強い男性ほどハゲやすい?

よく「性欲の強い男性ほどハゲやすい」という説を耳にします。確かに男性型脱毛症(AGA)には男性ホルモンが深く関わっており、男性ホルモンは性欲にも関連していることは事実です。 しかし必ずしも性欲の強い人がハゲるというわけではなく、それと結びつく酵素のほうが大きいと考えられています。

去勢した男性はハゲなかった!?

「性欲が強いとハゲる」説を後押しした、1つの出来事があります。それは1942年、逮捕されたレイプ事件の犯人をアメリカの医師が去勢したことです。

犯人には一卵性双生児の兄がいたのですが、去勢された弟のほうは髪がふさふさのままだったのに対して、兄のほうはツルツルになったそうです。このことから「男性ホルモンを生産する男性器を断ち切れば、脱毛は起こらない」という考えが広まりました。

確かに男性の薄毛には、男性ホルモンのテストステロンが深く関わっています。テストステロンは性欲を高めるほか、筋肉や骨を作り、闘争心や意欲にも関連するホルモンです。また体毛を濃くする一方、髪の毛だけは抜け落ちやすくする作用もあります。 しかし薄毛を引き起こすのはテストステロンそのものではなく、それが「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことによって変化する「ジヒドロテストステロン」のほうであることがわかってきました。ジヒドロテストステロンはより強力な男性ホルモンで、抜け毛を進行させてしまうのです。

ハゲるかどうかは酵素の量による!?

そして、男性ホルモンの濃度自体に個人差はそう大きくないことも明らかとなってきました。つまり体質や年齢によって多少の差はあれど、男性なら誰もが男性ホルモンを分泌しており、その量だけで薄毛になるかどうかは決まらないということです。

実際、テストステロンの分泌量だけで考えれば、20代の若い世代がもっとも活発です。しかし若者ほど薄毛になるとはいえないことからも、テストステロンそのものが抜け毛を引き起こすわけではないと考えられます。

それよりも、ジヒドロテストステロンへと変化するのに必要な「5αリダクターゼ」のほうが問題視されています。実際、生まれつきこの酵素が欠損している男性がいるのですが(5α還元酵素欠損症)、その場合はAGAが見られないことも分かっています。

AGAの画期的な治療薬として知られるプロペシア(フィナステリド)も、まさにこの酵素を阻害する薬です。ですから男性ホルモンの量や性欲の強さというよりは、それが結びつく酵素の量や活性具合のほうが大きい、というのが今のところ有力な説のようです。
真相解明! エロい男性はハゲるのか? [男のヘアケア] All About